『ぼくの図書館カード』
"自由に本が読めること"
それが当たり前じゃない世界のおはなし。
黒人は図書館を利用することが出来ませんでした。
「図書館カード」は白人だけが持てるステータスだったんですね。
この絵本には、本を読むことの喜びが詰まっています。
「本には、肌の色が白いにもかかわらず、ぼくのように苦しい境遇にある人びとが描かれていた。ぼくが追いもとめている自由を、同じようにのぞんでいる人びとがいた」
「読んだことすべてが自由への切符となった。本はぼくを何ものにもしばられない、自由な世界へとみちびいてくれたのだ。」
この言葉は絵本からの引用ですが、
真理だなぁと思いました。
前者は、"ぼく"の捉え方が純粋ですごく好きです。
白人のくせにいかにも黒人と同じように苦しんでるみたいな描き方をされている、とならずに、
白人でも苦しい境遇の人がいる、と自分に重ねられる心が素敵です。
きっと、自分と同じ状況にある人がいるという情報は、心の支えになったでしょう。
そんな風に、心の支えになるような本を見つけるお手伝いをしていきたいと、改めて思うのでした。
『ぼくの図書館カード』
ミラー ウィリアム 文
クリスティ グレゴリー 絵
斉藤 規 訳
新日本出版社 / 2010.11
ISBN 978-4-406-05410-2